相違

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おう、そうだったな。 コイツ等にも、そろそろ説明してやらないとな。 「あー、コレはな 地球時代の建造物だ」 俺が簡単に説明すると。 「はぁ!? コレが建物だ!?」 「え!? まさか本当に人工物だったの!?」 「うそ……」 ガルム、ティナ、ノエルは一様に、驚きを露わにしていた。 分かるぜ、その気持ち。 ノエル達のその反応たるや、俺がこの世界に転送された時の反応そのものだ。 コイツ等が地球に転送したとすると、こんな反応になるんだろうな。 「信じられないかも知れないが、地球時代の建物で間違いないぞ」 「本当に?」 再確認するノエルに、詳細を説明する俺。 「俺の持つ技術力は、よく知っている筈だろ?」 そう言って俺は、ノエルが抱えている小銃を指差した。 ノエルには、銃を扱った経験がある。 それにより、ガルムとティナよりかは、地球の技術力を垣間見た筈だ。 ノエルは小銃を眺めて、色々と察した様子だ。 地球の技術力の塊とも言うべき物体を、掴まされているからな。 信じざるを得ないみたいだ。 「太古の技術が成せる業…… と、いう事ね」 「あぁ だが、この写紙に写っている建造物はかなり劣化しているな 実物は、もっともっと高いし、外装だって綺麗だし、色んな設備が兼ね備えてあるんだ 技術力の高さが窺えるだろ?」 「マジかよ…… 地球って、一体どうなってんだ? 想像もできねぇぞ」 「本当ね でも、カズの居た故郷について分かったわ」 ティナか。 丁度いい。 ついでに、"コレ"についての話も持ち出してみるか。 俺はポーチからあるものを取り出し、机の上に置いた。 「そんな地球の技術力の結晶が……"コレ"だ」 俺が取り出した物。 それは、"多目的多才汎用携帯端末機"。 ダグ博士から譲り受けた、ラロ遺跡から発掘された物体。 通称"タモサン"だ。
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