相違

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俺が呼ぶと、リコは前へ出てきた。 「はい、マスター!」 「お前の事を話すぞ 構わねぇな?」 「そうですか 分かりました!」 リコの承諾を得たところで、俺は詳細を説明しようとした。 が。 ガルム、ティナ、ノエルは、既に驚きの表情をしていた。 リコが話に登場した事に対して、困惑を露わにしている。 「ハァ!? その、ちんちくりんが!?」 「地球時代に使われていた!?」 「"道具"!?」 コイツ等、息ピッタリかよ。 「あぁ、そうだ」 「で、でも…… カズの"遣い魔"じゃあなかったの?」 あぁ? ノエルの奴、何を言ってやがる。 「それはお前等が勝手に思い込んでいただけだろ? そもそもリコは、"生き物"ですらないぞ」 その発言に。 「生き物じゃないだと? ちょ、ちょっと待て! その、ちんちくりんは、実際に生きてるじゃねぇか!」 ガルムが、現状だけを見て疑問を尋ねてくる。 "生きてる"? おいおい、ガルム。 何も、 "喋っている"事だけが "生きてる"事イコールじゃねぇぞ? 馬鹿らしい、浅はかな考えだ。 「違う違う リコが喋っているのは、ただのプログラムだよ」 「ぷ、ぷろぐ…… なんだって?」 まぁ、理解はできないだろうな。 これに関しては、ガルムが馬鹿だからではない。 この世界の住人、誰でも理解ができる次元ではないだろう。 分かり易く説明すると……。 うーん……。 こうとしか言いようがないよな。 俺はガルムに、リコの出生を説明した。 「つまりリコは機械なんだよ 人間に造られた存在だ」
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