相違

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「"機械"……?」 ガルムは相変わらず理解はしていないみたいだ。 それは、ティナとノエルも同様だな。 まぁ、これ以上説明を続けたところで、コイツ等が完璧に理解できるとは思えないしな。 俺は構わず話を続けた。 「そうだ 機械こそが、地球で発展した科学という文明の象徴だ リコはその最先端技術を用いて製造されたんだ」 「造ったって…… 生命を人の手で造り上げたの?」 次はティナかよ。 うーん……。 だから、何度言えば分かるんだ? 「リコは生命体じゃないって言っているだろ?」 「じゃあ、死んでいるって言うの? 禁忌の"屍術"で仮初めの命を与えている訳じゃあるまいし、それこそ有り得ないわ」 「分からない奴等だな リコには、生と死の概念そのものがないんだよ これが機械の特性だ」 「そんな事って……」 「あり得るんだよ 地球時代の技術力は、お前等の想像を絶する 自分達の理屈だけに置き換えず、ありのままを受け止めるのも大事だぞ?」 そう。 俺がこの世界で"魔術"の存在を受け入れた様にな。 俺の説得に。 「た、確かに…… その、ちんちくりんからは生気が全く感じ取れず不気味だった覚えがある カズの説明通りの機械って物体なら、生気がない理由には納得はできる」 ガルムが理解を示し、それに続いてティナも。 「そ、そうね…… リコちゃんからは、魔力も感じないしね」 どうやら、理解したみたいだ。 だが、1人だけ理解しきれていない奴が居た。 「ちょっと待ってよ」 ノエルか。 面倒くせぇな。 「なんだ?」 「リコちゃんが機械っていう存在なのは理解できたわ 人間に造られた、単なる"物"だって事もね」 おっ。 なんだ、ノエルの奴。 きちんと理解しているじゃねぇか。 だったら、何を物申す事があるんだ? 「それで? 何が言いたい?」 「でも、リコちゃんの"心"までは作り物じゃない筈よ カズは、リコちゃんの感情をどういう風に認識しているの?」 は?
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