相違

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俺が、そう思った時。 「まぁ、ノエルちゃん達には難しいかも知れないね 私はカズの言っている事は分かるけど、それはやっぱり地球の文明を知っているからであって、こんな世界じゃあ機械に理解を示す方が珍しいよ」 レイナがそう言って、話をまとめた。 そして、続ける。 「ところでカズ その古びたタモサンを私達に見せた理由は?」 ナイスだレイナ。 それこそが、俺がニルバニアに帰って来た目的の一つだからな。 「あぁ このタモサンを直してほしくてな」 先ずは結論から言った。 すると。 「は? そんな物を直してどうする気だよ?」 「っていうか、そもそも直せるの?」 ガルムとティナが、順番に質問をしてきた。 良い質問だ。 俺はその質問を、順番に答える。 「このタモサンの中には、地球の情報が眠っている可能性が高いんだ 俺が転送させられた後、地球がどの様に滅亡していったかの記録がな だから、出来ることなら直して、情報を取り出したいんだよ」 俺がそう説明すると。 「ちょっと待ってよ 死んだものは、二度と生き返らないのよ? そんなミイラ状態のものが治せるとは、到底思えなんだけど」 ノエルが意義を唱えた。 まだ言ってんのかコイツは。 "治す"んじゃねぇよ。 "直す"んだよ。 生き物じゃねぇんだから。 「程度にもよるが、直す事は可能な筈だ それが機械だからな」 「どうやって? まさか、禁忌の"屍術"を使って生き返らせる訳じゃないわよね?」 …………。 だから、生き物じゃない……。 もういいや。 「"屍術"? どんな魔術か知らんが、そんなものを使う気はねぇよ」 「なら、他にどんな手段を?」 レイナが核心を聞いてきた為、俺はとある確認も兼ねて答えた。 「それはな "回復魔法"『修復』 を使ってもらおうと思ってな」 すると。 「"修復"?」 レイナがピクッと反応を見せた。 ふむ……。 レイナの奴、何かを知っているな。
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