相違

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俺はすぐさま事実確認をした。 「ちょっと待て それじゃあ、ティナに"修復"は使えないって事なのか?」 俺の問い掛けに、レイナは少し悩んで答えた。 「それは私も分からない ただ、その可能性は大きいと思うよ?」 なんだと……? チッ……。 ここまできて、修復が使えないなんて事になったら、やるせないぞ。 俺は早速ティナに、試行を頼もうとした。 その時。 「ねぇ 仮にティナが"奇術"を使えたとして…… それを使わせて平気なの?」 ノエルがそう聞いてきた。 何か懸念を抱いているかの様な、言い方だ。 「何故だ?」 「だってさ そもそもニルヴァーナ様が、ラロの民を滅ぼした理由は、地球の遺産の復活を阻止する為でしょう? それなら、その"タモサン"を復活させるのも危ないんじゃない?」 なるほど。 確かにそれは言えるな。 だが俺は、その心配はないと思っている。 何故なら。 「心配には及ばねぇよ ニルヴァーナが阻止したのは"兵器"の復活だ タモサンは兵器じゃない」 「"兵器"?」 「ソレのちょっと凄い上位互換みたいなものだよ」 言って俺は、ノエルの抱える小銃を例に出して"兵器"の説明をした。 まぁ、戦車と小銃の比較は"ちょっと"では済まされないがな。 「コレの……」 小銃を眺め呟くノエル。 「とにかく大丈夫だよ で、問題なのは…… ティナ、なんとかできそうか?」 俺はノエルの疑問に答えると、今度こそティナに懇願した。 するとティナは。 「フフン」 と、得意気に笑った。 え。 なに? と、俺の戸惑いをよそにティナは続ける。 「私は自分が凡人なんて認識はまるっきりなかったのだけれど まさか、本当に特別な存在だったとはねー フフフ…… まぁ、私に任せておきなさい! そんな石ころを修復するくらい、朝飯前よ!」 そう言って、杖を構えた。 …………。 俺が言うのもなんだが……。 その自信はどこからくるんだ? 本当にいい性格してるぜ。
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