相違

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ノエル、ティナ、ガルムは、驚いていた。 石ころだと思っていた物から、音声が発せられているのだから当然か。 「え!? 何で声が聞こえるの!?」 ノエルが驚き。 「それもそうだけど、言っている言葉も分からないわ 一体何語?」 ティナが疑問を尋ね。 「おいカズ どういう事か説明してくれ」 ガルムが2人の意見を総括して、俺に尋ねてきた。 説明だと? 正直面倒だ。 俺は、このタモサンに録音されている記録を聞くのに忙しい。 今、コイツ等に構っている暇はない。 俺は3人を、適当にあしらった。 「言ったろ? タモサンはリコと同型の機械だと この言葉は、俺の居た時代と国の言葉だ 内容は後で説明してやる お前らは少し黙ってろ」 俺がそう言うと。 「うっ……」 「え、えぇ」 「お、おぅ」 3人は黙った。 よし。 いい心掛けだ。 俺は再生を続けた。 ―――――――――――― DEC.28 首都部へ向かった、第5機甲師団が消息を絶って、約7時間が経過 本部との連絡も取れない 皆、あの"化け物"に襲われたと、考えるのが妥当だろう 次は我々の番か どこか隠れる場所が必要だ 私は、同部隊の"コバヤシ"、"サイトウ"と共に移動を開始した 果たして、我々に未来はあるのだろうか…… ―――――――――――― ふむ……。 "第5機甲師団"? 俺の所属していた戦車大隊か。 つまりこの録音は、俺がニルヴァーナに襲われ、転送された後の事になるな。 どれどれ。 俺は更に、再生を続ける。
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