相違

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は? え? 俺、今なんか変だったか? まったくもって、平常通りだったんだが……。 「は、はぁ? な、何を言ってんだ? 俺は別に何も――」 俺が弁明を述べている時。 「誤魔化さないで」 ノエルは俺の言葉を遮った。 「…………」 突然の事だった為、俺は言葉を詰まらせた。 すると。 「カズ…… テメェ、自分でも気付いてないのか?」 ガルムがそう言ってきた。 何? 言葉遣いから察して、ガルムもノエルと同様の事を思っていたみたいだ。 「ちょっと、待て 何の事かさっぱり――」 また俺の弁明の最中に。 「カズ アナタ、ここから発せられた声を聞いてからというもの 明らかに様子がおかしいのよ?」 今度はティナか。 ティナはタモサンを見せつけて、俺にそう言ってきた。 「なんだって?」 「カズ…… 私達を誤魔化せると思っているの? アナタ、一体何を企んでいるのよ?」 ノエルがそう言うと、ティナとガルムも俺を見てきた。 「…………」 おいおい。 なんだよ、皆揃って。 俺をそんな目で見るな。 だが。 どうやら、弁解の余地はないみたいだ。 コイツ等……。 なかなか、感の鋭い連中じゃねぇか。 いいだろう。 教えてやる。 そう思った瞬間。 何故か、俺は笑いがこみ上げてきた。 「ククク……」 「カ、カズ……?」 恐る恐る聞いてくるノエルに、俺は言ってやった。 「よく感づいたな そうだよ 俺には目的がある ニルヴァーナをぶっ殺すって目的がな!」
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