相違

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俺のその告白を聞いた3人は。 「えぇ!?」 「ちょっ!?」 「はぁ!?」 目を丸くして驚愕を露わにしていた。 おいおい、なんだその馬鹿面は。 別に意外な事でもねぇだろ。 ニルヴァーナは俺にとって、仇なんだぜ? そいつをぶっ殺したいと思うのは至極当然じゃねぇか。 俺はその旨を伝えた。 「何を驚く必要がある? 少し考えれば、容易に分かる事だろうが」 するとノエルは。 「カズ! アンタなんて事を言っているの!? ニルヴァーナ様をこ、こ、こ殺すなんて!」 猛反発してきた。 それに続いて、ティナも。 「そうよカズ アナタ、身の程を弁えて言っているのかしら? とても正気の沙汰とは思えない発言よ」 凡そ、ノエルと同意見だ。 更に、ガルムまでも。 「カズ…… どうやらテメェ、相当疲れているみてぇだな 少し頭を冷やせ」 そう言って、俺を心配していた。 チッ……! ガルムに頭の心配をされるとは心外だな。 この狂信者共め。 そりゃあ、テメェ等にとっては俺のこの考えは異端に捉えられるだろう。 だがな。 俺はニルヴァーナに何もかも奪われた身だ。 ニルヴァーナが造ったこの世界でのうのうと生きていく事とは、つまり俺にとって親の仇と一緒に暮らしていく様なものだ。 そんな暮らし、俺は受け入れる訳にはいかない。 だが、コイツ等にそんな俺の思いは到底理解できないだろう。 理解されない事が分かっていても、俺は自分の思いを貫き通した。 「いや、頭を冷やす必要はない 俺は至って冷静だ テメェ等がなんと言おうが、俺はニルヴァーナを殺しにいくぜ」
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