相違

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おいおい。 仲間に敵意を向けるなんて、どういう了見だ? 俺は俺の正義を貫こうとしているだけなのに。 テメェ等に阻止される言われは、一切ねぇぞ。 「なんの真似だ?」 俺は敵意丸出しのノエル達に、そう尋ねた。 すると。 「カズ アナタを行かせないって言っているの」 ほぅ。 「なぜだ?」 「なぜって…… カズはニルヴァーナ様に楯突くつもりなんでしょう? そんな事を黙認する訳にはいかないからよ それに……」 ん? 「それに?」 「壁外に出て、また魔物達に襲われたらどうするの?」 ふむ……。 なるほど。 ニルヴァーナ云々の話は、コイツ等の私的な意見だから気にしなくていいとして。 俺が再び魔物共に襲われる事を、危惧していたのか。 それは、なんというか。 至極、無駄な心配だな。 だって……。 「ククク……」 「カ、カズ……?」 おっと、また笑いがこみ上げてきていたか。 いかん、いかん。 俺は、ノエルに説明をした。 「その心配はねぇよ」 「え? どういう事?」 「俺達を魔物共に襲わせたのは、"獣の王"だ この話は以前したよな?」 「え、えぇ……」 「その"獣の王"はな 俺が殺してやった」 俺のその説明に、3人は。 「えぇ!?」 「なんですって!?」 「はぁ!? カズ、それ本当か!?」 またしても、驚愕を露わにしていた。 どうせ、ついでだ。 あの事も、関係者に話しておくか。 俺は続けた。 ガルムに、とある事実を伝える為に。 「そうだガルム お前に言っておく事があった」 「あ? な、なんだよ?」 「お前の親父さん 獣化人になって、"獣の王"に操られていたよな?」 「あ、あぁ……」 「そんな不安そうな顔するな 安心しろ」 「どういう意味だ?」 「お前の親父さんも ついでに俺が殺しておいてやったぞ 身内の恥が払拭されて良かったな 感謝しろよ?」
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