消失

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リコは作戦の説明を迅速に言った。 「私の電撃で、蜘蛛を焼き殺します!! 虫には全身のダメージも有効なので!!」 なるほど。 電撃を使うつもりだったのか。 しかし、それには一つの懸念がある。 それは……。 「ちょっと待て それには放電の危険がある 俺はさっきまで、水に浸かっていたんだぞ? 俺を感電させるつもりか?」 そう、早い話。 リコの電撃は、俺の身も危ないって訳だ。 俺の懸念にリコは。 「ご安心を そこでマスターには、拳銃弾を一発使ってもらいます」 なにやら、対策を考えていたらしい。 「拳銃弾? それをどうするつもりだ?」 「はい! マスターの放った拳銃弾に、私の電撃を乗せます! こうする事で、マスターに電撃の危害は及ばない筈です! 私も、電撃の操作に関しては、多少は任意の方向へ飛ばせるので!」 ふむ。 なるほど。 つまり、俺が放った拳銃の弾丸を、避雷針代わりにして、リコの電撃を蜘蛛のみに当たる様にするって事か。 なかなか、良い案じゃねぇか。 そうと決まれば善は急げだ。 いつ、また蜘蛛が動き出すか分からないしな。 「決まりだ それでいくぞ」 「はい!」 よし。 俺は拳銃を構えた。 引き金を引く――。 その前に、やる事がある。 蜘蛛ってやつは意外と俊敏だ。 あのデカさで、拳銃弾を避けるとは考え難いが……。 一応、念の為。 ささやかながら、動きを止めておこう。 まぁ、ぶっちゃけ仕返しなんだがな。 俺は、蜘蛛に憎しみを込めて、言った。 「足の借りだ 受け取れよ蜘蛛野郎 "闇術"『因果応報』」 言った瞬間。 バキッと、蜘蛛の足が一本折れた。 「ギギッ!?」 蜘蛛のバランスが崩れる。 その隙を狙って、俺は思いっきり引き金を引いた。 瞬間。 パンッ!! と、破裂音が響く。 「リコ!!」 「はい!!」 合図を確認した瞬間に、リコから眩い閃光が放たれる。 そして。 「ギギギギ!?」 弾丸に貫かれたと共に、全身に電撃を浴びた蜘蛛は、苦しそうにもがいていた。 そして。 「やったか!?」 俺はフラグを立ててしまった。
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