第1章

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私はいてもたってもいられず、 ついさっき会ったばかりのヨシに電話をかけてしまった。 『もしもし』 ヨシの声がどこかザワめきがある所にいるのが分かった。 『どうした? 何かまたお咎め?』 「ううん。そんなんじゃないよ。ごめんね、さっきはあんな風に突き帰しちゃって……。 ヨシが急にあんな事するから……。 心配して来てくれたのに、本当にごめん」 ヨシの唇を不快に思わなかった自分を恥じるのもあって ヨシだけに非がないような気がして 私は歯切れ悪く、謝った。 『心配しただけで、行ったんじゃないよ。電話で話してて欲情したからミユキに会いたくなったの。』 「…………」 私はヨシの言葉に面食らって言葉を失った。 『ところで、何? オレの事心配して電話してきたの?』 「あ、えっと……、リューマからメールきたの」 『えっ!まじで?!……うぁっ……やべ』 ヨシの腹の底から驚いたような声がして 何かひっくり返したような音が聞こえた。 『あ、……今 外でラーメン食ってて……。ちょっと待って。店出るから』 「うん」 『それで……? なんて?』 「髪を切ってあげるってメールしたら、リューマ、専属スタイリストがいたって事は覚えていたみたいで……、 私とリューマの写真も添付したから 信じてくれて……」 ヨシと話ながらも、嬉しくてジワジワと喜びが込み上げてくる。 『すげーな。よかったな。……しかし、記憶なくしてるのに、専属スタイリストがいたって覚えてたのが、なんか奇跡だなー』 「うん……。まさかそこで私の存在を受け入れてもらえると思わなかったよ、正直」 『でもチャンスだから、頑張れよ。 ところでいつ会うの?』 「明後日の2時以降……。場所は指定してもらう事になってる」 『そっか。じゃ、オレも行くわ』 「……えっ? ヨシも?」 『ミユキ、フラフラしてるし、すぐ腰抜けるし。危なっかしーだろ』 腰抜けたのはヨシのせいなんだけど。 「ヨシ仕事でしょ」 『明後日は火曜日』 「あっ……そうか」 『じゃ、場所決まったら教えて。……大丈夫、二人の邪魔はしないから』 「…………」
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