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皮膚がヒリヒリする。
日焼けした肌がヒリヒリする。そんなレベルの痛みだ。
それなのに。
何故かおれの心は、恐怖に満たされていく。
それはまるで恐ろしい目にでもあっているかのような、本能的に恐れているような恐怖であった。
やがて、光の射し込む出口へと到達する。
その頃には肌の痛みは増し、針でブスブスと刺されているような痛みになっていた。
「....よし」
おれは痛みに耐えながら、意を決して日光が射す洞窟の外へと恐る恐る手を伸ばしてみる。
ジュジュワアアアア
「あ"!?グワァッ!!?!?!??」
おれは慌てて手を引っ込め、痛む手を抱えて悶絶する。
手を洞窟の外に出した瞬間、いきなり焦げるような音と煙を上げて、信じられない痛みが手に走ったのだ。
「くっそ....やっぱりダメだったか...」
おれは痛みに耐えられず、来た道を早足で戻っていく。
闇の中に逃げながら現実からも逃げるように、再び思考へと没頭する。
「......なんで...なんでこうなった」
おれ、"ルーク・エルストン"の頭にはこの症状の原因となる3日前の出来事がよぎっていた。
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