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叔父さんは、朝から僕に毎日スキンシップを取る。
普通のスキンシップならまだしも、叔父さんが僕に毎日するスキンシップは普通じゃない。
「また、やっちゃったかな?」
「僕がこうなる事分かってて態とやってる叔父さんなんて嫌いです。」
僕は、不機嫌になりながらも叔父さんに手を貸してもらい立ち上がった。叔父さんは、僕の[嫌い]の言葉に流石に反省したのか子犬の様にシュンとなっている。
一瞬でいつもの叔父さんに戻るけど、僕はいつもの事だからと呆れながらも包丁を手に持ち野菜を切る。
「祐貴、今日の朝御飯は何かな?」
「包丁持ってる僕に近付くと危ないですよ。」
「不機嫌な祐貴もツンツンしてて可愛いけど、笑ってる祐貴をみてみたいな。」
叔父さんは、カウンターキッチンの前に立ち、僕がお弁当と朝御飯を作っている姿を微笑ましく見ている。早く、会社に行く用意をして欲しいんだけどな。
「叔父さん、会社に行く用意をして下さい。着替えてる間に朝御飯とお弁当用意しておきますよ。」
僕は、叔父さんに態と笑って見せた。叔父さんの要求に答えたのもあるけど、こうしないと叔父さんが遅刻しかねないからだ。僕が、叔父さんと一緒に暮らす為の規則。
僕は、つい最近両親を飛行機事故で亡くし母方の弟である独身の叔父に引き取られた。父や母の生命保険金は父や母の両親に全て渡して、叔父さんは僕をお金はいらないから身一つで来るようにと言って此処で一緒に暮らしていると言うわけだ。
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