◇◇ 第1章 派遣のプライド ◇◇

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*** 「お世話になりました」 派遣最終日の業務を終えた私は、人事担当者に丁寧に挨拶をすると、そのまま社外に出た。 そして、会社の角を曲がると、ゆっくりと息を吐いた。 「ふーーーっ」 ムクムクと湧き上がるやり場のない怒りと共に、自然とヒールの音が、ツカツカと勢いを増す。 「なんで分かんないかな?」 派遣先の呆れた判断に、つい、愚痴が零れる。 と同時に、私の担当、前園さんから電話がかかってきた。
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