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「どうして僕なんですか?」
「君はずっと二次元世界に行きたいと思っていたんだろう?」
「いやそうですが」
まさかそんなんが理由じゃあるまい。
「そりゃそうさ」
はい心読まれましたー。流石神様だわ。
でもだとしたら余計気になる。自分で言うとあれだけど、僕は至って普通の人間……な筈だ。というか、運動や勉強はほぼどん尻だった。ただスパロボとかゲームとかが好きだっただけ。性格や精神面、これまでの人生を考えても、僕なんかより明らかに人間的能力が高い人間が周りにはごろごろ居た。
プロの格闘家なり一流の政治家とかが差し置かれ、何故、僕にそんな某勇者みたいな重大な役割を与えるのか不思議だ。
カオスワールドの敵は強力で、融合した世界を見せて貰ったけどその人達が苦戦するくらい。つまりメチャンコ強い。絶対にそういう人の方が役割を果たせると思うのに。
「まあ、普通に考えればそうだろうね。けど今から行く世界は普通じゃない。学歴や社会立場とかじゃなく“思い”が重要になる」
「思い?」
「そう、思いだ。イマジネーションとでも言えばいいか。子供が願うような、真っ直ぐで、純粋な気持ち。ソウマ、私はスーパーロボットを愛する君の心に惚れた。大人になるつれ失われてゆくその思い、けど君の思いの力は消えてない。むしろ強くなってるんだ。他の誰よりも」
「僕に、そんなものが」
信じられなかった。僕にとってはただスパロボが好きなだけで、周りからはいつもバカにされていたそれを誉めてくれる人なんていなかった。
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