15/24
前へ
/700ページ
次へ
  辺りが真っ暗になり、子ども達に不安が広がる。 泣きそうな顔で女の子が呟く。 「ママに怒られるよ……」 同意するように頷いて、紀子は思いつく。 「彩ちゃん、家に戻ったんじゃない? この前、発作が起きそうになった時、 急いで帰ったことあったじゃん!」 喘息の持病を持つ彩愛は たまに、酷い発作を起こすことがあった。 でも、と絵里は不安そうに反論する。 「いつもは誰かに言っていくじゃん……」 それに既に 探すことが面倒になっていた好信が 不貞腐れたような声で抗議する。 「かくれんぼで、周りに人が居なかったんだろ?」
/700ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加