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彩愛の母親は未だ震えている千夏の背を
労わるように、優しく撫ぜる。
「ちーちゃんも心配を掛けてごめんなさいね」
千夏は彩愛の母親を見ずに、
拳を握り締めて、ごめんなさい、と繰り返した。
彩愛の母親は困ったように微笑む。
「謝ることなんて何もないわ。
ちーちゃん、
いつも彩と遊んでくれてありがとうね」
千夏は自分の母に抱き付き、
決壊したように声を上げて、泣き出した。
彩愛の母親と千夏の母親は顔を見合わせ、
我が子が無事だったことを微笑み合う。
少しすると、
子どもたちは親と一緒に家に帰った。
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