プロローグ

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  稲光を眺めながら、男はタバコに火をつけた。 妻に見つかったら怒られる。 でも、すぐに換気扇のあるキッチンまで移動すれば、 朝までには匂いも取れ、 タバコの臭いは消え、バレないはずだ。 だが、リビングに入った瞬間、 男のそんな些細な悪さは頭の中から掻き消える。 なぜなら、泥棒が暗がりで 今まさに、リビングの戸棚を漁っていたからだ。 「何をしている!」 男はソファを避けて、泥棒に掴み掛る。 その途中、 男は火がついたままのタバコをラグに落としていたが 泥棒を捕まえるので必死だった。
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