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「 よくできました~ 」
マユコに抱きしめられて、頭を撫でられる。
私より背の低いマユコが背伸びして、何度も何度も頭を撫でてくれる。
私はそれが嬉しくて、どうにもこうにも涙を止められない。
「 ほら、じゃぁ部室行こう! 」
「 私ね、しぃなにお願いがあるんだ~♪ 」
マユコは満面の笑顔で私の手をとると、するりと指を絡める。
そしてスカートを翻して弾むように歩きだした。
鼻歌まで歌い出してるし・・・
ほんっとにマイペース。
私は手の甲で、無理やり涙を拭いて慌てて歩みだす。
でも小さな頃から、いつもこんなふうにマユコに指を絡めて手を引かれ歩いてたっけ・・・。
で、子供の時はマユコに引きずらてよくコケてた。
思い出したら、おかしくっていつの間にか笑ってた。
マユコがする指先が絡まるこの手の繋ぎ方、昔から変わらないなぁ。
これって良く考えてみたら ゙ 恋人繋ぎ ゙ っていうんじゃなかったっけ・・・?
マユコの゙ 好き ゙はどういう好きなんだろうか?
どれくらいなんだろうか?
まだまだ、わからない事だらけ。
でも私は結局マユコがいいんだ。
マユコじゃなきゃ、駄目なんだ。
私の手を躊躇いなく繋いで、ついでに指まで絡めてひっぱりまわす
カノジョの事が好きなんだ。
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