◇◇ 第3章 はじまりの予感 - 2 ◇◇

2/38
769人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
*** 「松本部長の前途を祝して?乾杯!」 幹事の音頭で始まった送別会。私は、冴子さんと由香里と璃子ちゃんと端に座り、勝手に女子会を開いていた。 「冴子さん、同期の最後の日に、お酌に行かなくて良いんですか?」 由香里が、女子社員に囲まれた松本部長を見ながら、ビール片手につまみを頬張る。 「あぁ、いいのよ。あたしは和也を見飽きてるし、それにまた会うしね。今夜は、もう会えなくなる方々へお譲りするわっ。ねっ璃子」 「えっ!?」 どうやら、心ここにあらずだった璃子ちゃんが、突然の問いかけに動揺している。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!