◇◇ 第5章 ふたりだけの秘密 - 1 ◇◇

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なんだか、いつもの派遣先初日の挨拶よりも緊張している気がする。 「本日付で参りました早川です。よろしくおねがいいたします」 いつもよりも丁寧に、仕事モードの白石部長に挨拶をしている。 「あぁ、こちらこそ。ここでは基本的に、私のサポート業務をお願いします。 じゃあ、とりあえずデスクを片づけてもらって。それからかな」 いつもと違うクールな受け答えに、へぇーっと感心しながら、一礼して踵を返した。 「美紅ちゃんこっちだよ!」 振り返れば、1ヶ月前に、国内営業から海外事業部に異動になっていた足立さんが、デスクから手招きをしていた。
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