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「早川も話したいことがあるんじゃない?」
今度は逆に、白石部長から問いかけを受ける。
「私は……別に……」
「俺だけっていうのはフェアじゃないな」
柔らかなもの言いで、でも少しだけ挑発的な眼差しが、向けられる。
「そういうわけでは……」
「前に進む第一歩は、人に打ち明ける事から始まるんだ。経験者が言うんだから間違いないよ」
仕事の時とはずいぶん違う、親しみやすい表情でテーブルに肘をついて、少しだけ下から私の表情を覗き込む。
「じゃあ、ひとつ聞いてもいいかな?」
白石部長は、挙手するかのように右手を小さく上げた。柔らかな微笑みと、かわいらしい動作が、頑なな私に話しやすい空気を作り出す。
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