◇◇ 第6章 お互いの傷 - 2 ◇◇

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…………………… ……………… ………… ***6年前*** 「美紅……ここの契約、明日までだね」 「はい」 終業間際に、『片づけを手伝って欲しい』と声を掛けられ、連れて来られた資料室の奥。 特に散らかった風もなく、向かい合ったまま片づける様子も見せない彼。 ただ、時間だけが、お互いの間を通り過ぎる。 自分の鼓動だけがドキドキと音を大きくさせてゆく。 そして、彼の熱い眼差しを感じた瞬間だった。 「もしよかったら、俺とマジで付き合ってくれないかな」 「……!?」
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