◇◇ 第6章 お互いの傷 - 2 ◇◇

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薄暗い店内は、大人なムードに包まれ、静かな時間を過ごすカップルや洒落た感じのおひとりさまもいる。 品の良いウエイターに案内された席は、窓際のソファー席。 贅沢に大きい一人掛けのソファーが2つ。程よい間隔で、景色を堪能できるように外を向いて並んでいる。 「いかがいたしましょうか」 「そうだね。僕はいつもので、彼女には、なにかおすすめをお願いするよ」 空気を乱さぬように話しかけるボーイに、白石部長が慣れた空気で注文する。 場の雰囲気に飲まれ気味の私は、そのやり取りをただ静かに聞いていた。
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