◇◇ 第6章 お互いの傷 - 2 ◇◇

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*** ーー翌日 「派遣の早川さん、今日までだろ?」 「美紅ちゃん、かわいいよな」 「あーわかる。あの初々しさたまんないよな!俺が、手取り足取り一から教えてやるって感じだよな」 「それ、イヤらしいぞ」 偶然通りかかった休憩室から、たばこの煙とともに、数人の営業マンの下世話な会話が流れてきた。 「田所、お前ずいぶんと美紅ちゃんかわいがってたろ?どうすんの?」 ……田所さん……そこにいるの? 偶然聞こえてきた名前に、足が止まる。 「いいよな?いっつもお前ばっかモテて。前の派遣の子もお前にゾッコンだったもんな?」
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