◇◇ 第6章 お互いの傷 - 2 ◇◇

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「今日までずっと、その痛みを胸の奥に抱えたまま必死に闘ってきた。違う?」 「……そうですね。その時の痛みと悔しさと、怒りをバネにやって来たかな…… 派遣という世界で一生懸命に生きてやる! その辺の正社員なんかに絶対負けない! なんて、スイッチが入っちゃったんです。 でも、それからもなかなか思うようには認めてもらえなくて…… その度に、目の前の仕事を必死になってやって来ました。 それに……もうあんな想いは懲りごりで…… 派遣先の人との関わり合いには、一線引くようになりました」
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