◇◇ 第6章 お互いの傷 - 2 ◇◇

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心地よい贅沢なソファーに深く座り直し、その先に見える景色を眺める。 なんだか、こんな立派な所に連れて来てもらうと、上等に扱って頂けている気がして、女としては幸せな気分だ。 遠くから優しく聞こえるピアノの生演奏が、寛ぎの時間をさらに上質なものへと変えていた。 「お待たせいたしました」 「えっ……」 自分の目の前のコースターに置かれたグラスを2度見する。 小さめの金魚鉢のようなグラスには、オレンジ色のスムージー仕立てのカクテル、そしてその周りが果物で埋め尽くされていた。
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