◇◇ 第6章 お互いの傷 - 2 ◇◇

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あまりの豪快さに絶句していると、白石部長まで目を奪われて笑っている。 ふたりで、『えっ!?』という表情が一瞬だけ重なった。 すぐに白石部長にも、『いつもの』カクテルと、チョコレートが数欠片乗った小皿が置かれた。 「ここのチョコは美味しいんだよ。ひとつどお?」 あれ!?確か、フィナンシェをいただいた時は、甘いものは苦手とか…… でも、今チョコをつまむ姿に、すべてを察した。 あの日、彼は、甘いものが苦手なのではなく、私が遠慮しないようにと『配慮のウソ』をついたんだ。
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