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一礼後、邪魔をしないよう無言のまま入り、必要書類一式を入れた封筒と、本日最終便の航空チケットの予約ナンバーのメモ書きを、長机の端にそっと置いた。
そして、お昼を抜いている優輝さんの差し入れに買って来た、缶コーヒーを添えた。
今までにない張り詰めた空気に、必要以上の長居は禁物と、そのまま静かに退室しようとしたその時、後ろから声が掛かった。
「一緒に飲んでいったら?」
振り向くと、小首を傾げた優輝さんが、ニッと笑って私の様子を窺っていた。
「……いえ」
「そこに、もう1本見えるけど?」
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