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「ヤル気はそれなりにある。能力なんて皆そんなに違うもんじゃないし、足りないものは補えばいい。
重要なのは、最後のひとつ……」
左の人差し指をあげて、私の顔を覗き込む。
必死に考えるが、的を射てそうな答えが、何も思い浮かばない。
「すみません。……思いつきません」
「ごめんごめん。ちょっと真剣すぎたな」
申し訳なさそうに答えた私に、優輝さんは、頭を掻きながら少し照れたように笑っている。
「よろしければ、教えてください」
私の言葉に、優輝さんは優しく頷き、ゆっくりと話し始めた。
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