637人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、足立さんのお土産話が、さらに大きく膨らみ始めようとした時だった。
「足立!そんな話してないで、ちゃんと報告書あげとけよ。次は、もうないからな」
いつの間にか私の右隣に立っていた優輝さんが、足立さんの真正面から釘を刺す。
「は、はい!この度は、ありがとうございました!」
焦る足立さんが、いつになく殊勝な態度でいる事がおかしくて、クスクスと笑いが込み上げる。
その時、カーディガンの右ポケットに何やら違和感を感じた。
何かが引っかかったのかと、見ようとすると、真横に屈んだ優輝さんの横顔が、どアップで迫っていた。
最初のコメントを投稿しよう!