637人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ、間違えた!優輝さんだった」
慌てて言い換えても、その表情は、すでに弱みを見つけたイタズラ小僧のように愉快に煌めいている。
童心に返ったようなやり取りと、交わされる言葉のタイミングが、なんだかとても心地いい。
心が軽くなった私は、まるでスキップでもしているかのよう気分で、優輝さんの横を歩いていた。
「では、ここで」
「本当にここでいいの?」
楽しい時間はあっという間で、気付けば、地下鉄の降り口で向かい合っている。
「ええ。優輝さんのうちの方向、本当は逆でしょ?由香里に聞きました」
最初のコメントを投稿しよう!