◇◇ 第9章 奇跡の再会 - 1 ◇◇

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「特に、何も……ただ、無くなったから、次のモノを使っただけでございます」 「……まだ、口を割らないっと……」 チラリと下の由香里を見れば、わざとらしく手のひらを広げ、メモ書きするかのような仕草をしている。 「村上くーん!」 その時、常務の声がフロアに響いた。 「相方様に呼ばれてるみたいよ」 「どうせ、また、パソコンのボタンが言うこと聞かないとか言うのよ……」 「頼りにされてるのよ。がんばって!」 由香里は、『はあーーーっ』と盛大なため息を吐き出すと、ゆっくりと立ち上がり自分のデスクに向かった。
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