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「お待たせしました。あの……」
「んっ?」
「今日は、カジュアルすぎて……お食事の席には失礼かも……」
長い脚を組み、壁に寄りかかっていた優輝さんが、スッと視線を私の全身に移す。
「大丈夫、充分素敵だよ。それに、今夜はそんな堅苦しい店じゃないから」
ーーやっぱ、こんな言い訳、通用しないよね……
なんだかんだで、ここまで来ていながら、まだ行かずに済む口実を探している自分がいる。
「行こうか?」
「……はい」
優輝さんの少し後ろを、とぼとぼとついて歩きながら、目的のお店に向かった。
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