◇◇ 第10章 静かなる対決 - 1 ◇◇

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お店の前では、10分前にもかかわらず、田所さんが時計に視線を送りながら立っていた。 こちらに気づくとすぐに微笑み、軽く会釈をする。 「お待たせいたしました」 「いえ。私も、今来たところです」 田所さんは、優輝さんと挨拶を交わすと、今度は私に視線を向けた。 「早川さんも、お付き合いいただいてありがとう」 「いえ……」 思いがけず掛けられた感謝の言葉と、爽やかに向けられた笑顔に、フルフルと軽く首を横に振る。 「では、入りましょうか」 優輝さんの言葉に促され、3人で店の中に入った。
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