◇◇ 第10章 静かなる対決 - 1 ◇◇

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私の心に緊張が走る。 その時、ビール瓶を持とうとした手を、優輝さんが制した。 「今夜は、そんな気を遣わないで。僕らがするよ」 私の心を知ってか知らずか、柔らかな微笑みが私を安心させる。 サッと、瓶を取った優輝さんは、まず恐縮する田所さんに勧め、次に私のグラスにも注いでくれた。 そして、最後に田所さんが優輝さんのグラスに注いだ。 「白石さん、今後ともよろしくお願いいたします」 「こちらこそ」 予測不能な飲み会が、いよいよ始まってしまった。
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