◇◇ 第10章 静かなる対決 - 2 ◇◇

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そして、混沌とした心に、穏やかな声が届いた。 「焦る必要なんかない。もう一度、自分の気持ちに正直に向き合ってごらん」 「……!?」 きっと、真正面からでは素直に聞けない私への変化球。 「それと……早川」 優輝さんが、何かを言いかけて止める。 「はい?」 気になって見上げれば、そこには、優輝さんの真剣な眼差し…… 私は、一瞬、息を呑んだ。 添えられた優輝さんの左手に、わずかに力が入る。 そして、ゆっくりと唇が動く…… 「もう、俺に隠し事はするな」 とてもシンプルなその言葉は、心にストレートに届いた。
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