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そして、何度も会社に尋ねて来てくれたという園さんから聞かされた事実が、今になって、さらに私の心を混乱させるものになっている。
あの時の田所さんは、どんな気持ちで……
そして今、こんなにも自然に、昔のままに優しいのは……
今さらどうしようもない過去と、目の前の現実が、頭の中を駆け巡り、心を惑わす。
その時、地下駐車場から出て来た黒の高級スポーツセダンが、スーッと横付けしてきた。
突然のVIPの送迎かと思い、ハッと慌てて数歩後ろに下がる。
「えっ!」
中からは、優輝さんが微笑みを浮かべて私を見つめていた。
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