◇◇ 第11章 同行デート - 1 ◇◇

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「ふーーーっ」 ーーこんな事なら、地下で乗ればよかった。 走り出した車の中で、ひとり後悔する。 「ずいぶんと大きなため息だな」 「すみません」 「田所さんと何かあった?」 なんだか、予想外の問いかけに、面食らう。 「いいえ……何も」 「そう?何か考え込んでた風に見えたから」 確かに間違ってはいないが、今のため息はそれとは違う。 「どした?」 さらに問いかける優輝さんに、私は勢いよく言い放った。 「どうもこうもありませんよ。私、刺されるかもしれません」 「誰に?」
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