◇◇ 第11章 同行デート - 1 ◇◇

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ーー必要だったのだろうか? そう思えるほどあっさりと得意先に挨拶を終え、私はまた、優輝さんの運転する車に乗っている。 どうやら今日は、会場の下見の方が、メインの仕事らしい。 なんだか、お供している私が、冷たい視線を浴びて、居心地が悪い時間を過ごしただけのようだった。 「モテモテでしたね」 「何?」 「初めて見ました、白石部長名物の女子社員総生け捕りの瞬間」 「ハッ……なんだそれ?」 「良いもの見せていただきました」 チラリと運転席に視線を向けても、優輝さんは軽く笑ってスルーしている。
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