◇◇ 第11章 同行デート - 1 ◇◇

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返された言葉に、自分が聞いた質問が、なんだか意味深に取られてしまった事がわかった。 「あ、そ、そんな意味ではありません!」 「わかってるよ」 思わず体を起こして前のめりで慌てて訂正する私に、優輝さんは余裕のまま、横目で笑いながらハンドルを操作する。 ーーもぉ…… 正直、先日の『俺に隠し事はするな』から、時折、優輝さんが見せる姿を、上司として受け止められない。 なんだか上手くかわせなくて、バランスを崩している自分がいた。 車内には、透き通った歌声の外国人女性歌手のラブソングが微かに流れている。
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