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Turururu……Turururu……♪
同時に優輝さんの携帯が鳴った。
「優輝、お前にしては気が利くな。美紅ちゃんは俺に任せろ!
電話は庭でよろしく。出来るだけ、ゆっくり話してこいよ」
「早川!相手しなくていいからな」
まるで、仕事の指示を慌てて出すかのように言い残すと、優輝さんは中庭に続く窓を開けて外へ出た。
窓が閉められ、個室には更科さんとふたりっきりの空間が広がる。
端に置かれていた椅子を、前後逆にして私の横に置き、跨いで座ると、背もたれに肘をついて私の顔をグッと覗き込んできた。
「やっと邪魔者がいなくなったね」
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