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「えっ?」
一変して、真顔に戻った更科さんが、不意に切り込んできた。
「そんなさぁ、その他大勢の意見じゃなくて……
俺が聞きたいのは、美紅ちゃんから見た優輝なんだけど?」
さっきまでの面白くなさそうだった表情が、ゆっくりと色を変えてゆく。
「美紅ちゃんだったらさぁ、俺の知ってる本当の優輝を見てんじゃないのかな」
人懐っこい瞳を、まっすぐ向けられると、不思議と隠し事が出来ない気分になってくる。
思わず、ゆっくりと中庭にいる優輝さんに視線を移した。
いつも見慣れた姿だけど、電話中の仕事モードの横顔は、キリリとしていて、やっぱりスマート……
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