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今朝は、満員電車でもみくちゃになる気分じゃなくて、いつもより早目に家を出て、会社まで歩くことにした。
と言うより実は、なかなか寝付けなかった挙句、ずいぶんと朝早くに目が覚めたというのが本当のところ。
会社が目の前に見え始めると、いつも通い慣れているにも関わらず、得体の知れない緊張感に覆われてきた。
ーーー優輝さんに会ったら、とにかく普通に振舞うべし。
小さな誓いを胸に秘める。
そして、神さまのイタズラは、突然、訪れた。
「おはよう、早川」
「!?」
横並びから、一歩前に出て、軽く顔を覗き込むのが、優輝さんのいつものスタイル。
眩しいほどの笑顔が、今朝はサングラスなしでは、まともに見れない。
「今朝は、ずいぶん早いね」
「……」
「どした?」
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