535人が本棚に入れています
本棚に追加
「バーカ。何年の付き合いだと思ってんだ!」
呆れたように吐き捨てた更科は、さらに続けた。
「イイ子じゃないか」
「んっ?」
さすが更科。とぼけたつもりが、一瞬で核心に触れる。
「美紅ちゃんだよ」
「そうか?」
「何が『そうか?』だよ。惚れてんだろ?」
「んっ?」
「お前は、昔から気のある子が出来たら、なんだかんだ理由をつけて俺に見せにくるだろ」
「そうだったかな?」
「素直じゃないな」
「……」
更科は『さあ話したまえ』とでも言うかのように、ゆったりと腰を据えて座り直した。
最初のコメントを投稿しよう!