◇◇ 第14章 優輝の想い - 1 ◇◇

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「バーカ。何年の付き合いだと思ってんだ!」 呆れたように吐き捨てた更科は、さらに続けた。 「イイ子じゃないか」 「んっ?」 さすが更科。とぼけたつもりが、一瞬で核心に触れる。 「美紅ちゃんだよ」 「そうか?」 「何が『そうか?』だよ。惚れてんだろ?」 「んっ?」 「お前は、昔から気のある子が出来たら、なんだかんだ理由をつけて俺に見せにくるだろ」 「そうだったかな?」 「素直じゃないな」 「……」 更科は『さあ話したまえ』とでも言うかのように、ゆったりと腰を据えて座り直した。
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