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「はい。もちろん」
隼人さんは、あっさりと強固な包囲網を一旦解いてしまった。
璃子ちゃんが、ホッとしたような表情を向ける。
さすがに、みんなも璃子ちゃんの必死の嘘がかわいそうに思えたに違いない。
ーーこの場合、仕方がないよね。
そう思いながら、そそくさと席を立ちテーブル脇を移動する璃子ちゃんを見ていた時だった。
ーーえっ……
璃子ちゃんの右手首がグイッと引かれ、身体がガクンと引き戻された。
誰も手出しできなかった状況に、拓巳さんが動いた。
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