526人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
ーーおっと……
包囲網の男性陣の心の声が聴こえて来るようだ。
「どこいくの?」
隼人さんがすかさず声を掛けた。
更科さんも、後ろから軽く顔を覗き込んでいる。
「あ、あの、お電話を……」
「電話?どこに」
「はい……両親へ。ここに到着したら連絡入れるようになってたので……」
動揺から出た言葉は、誰の目にも『嘘』と分かるレベルで、なんだか痛々しい。
「そう……」
軽い沈黙の後、隼人さんは続けた。
「じゃあ、電話が終わったら、戻っておいで」
最初のコメントを投稿しよう!