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そのあと、拓巳さんは、松本さんに軽く何かを耳打ちすると、璃子ちゃんを追って行った。
ーー拓巳さんがんばって!璃子ちゃんが素直になれるように……
心からそう祈って、小さくなるふたりの姿を見送っていた。
「早川、久しぶりだね」
「えっ、あ、はい。
松本さんもお元気そうでよかったです」
今まで、璃子ちゃんを射抜くように見つめていた松本さんは、テーブルにつくと、私に声を掛けて来た。
「海外事業部に異動になったって?」
「はい」
どうやら、情報は筒抜けらしい。
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