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松本さんを見れば、世間話をしながらもその眼差しはしっかり璃子ちゃんの背中を追っている。
まるで、愛おしいものをめでるかのように……
「拓巳!」
その時、向いの隼人さんが拓巳さんを呼んだ。
『あとは任せたぞ』とでも言っているような表情で、優輝さんも、更科さんも冴子さんまでもが見つめていた。
拓巳さんは黙ったまま頷くと、立ち上がった。
引き寄せられるように松本さんが璃子ちゃんの後を追おうと一歩踏み出す。
それを、拓巳さんが軽く制した。
「松本さん、俺が行きます」
「……あぁ」
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