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「うん。今日も上出来だ!」
更科さんは、そう言うと、私に微笑んだ。
ーーアクセル……
ーー更科さんも、お見通しですか……
私もゆっくり口に含む。
口中から鼻腔に豊潤な香りが広がっていく。
身体中の緊張がほぐれてくるよう。
「それ、魔法のコーヒーだから。勇気をくれるんだよ」
さりげなく応援してくれる姿は、まさに大人の対応。
「……はい」
いつのまにか不思議な安心感に包まれた私は、素直な気持ちで答えていた。
「おっと、気づかれたか」
同時にカフェのドアベルが鳴り、優輝さんが入って来た。
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